ハイティーン・ブギ High Teen Boogie
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High Teen Boogie
はいてぃーんぶぎ
プチコミック
Petit Comic
複雑な家庭事情、惹かれ合う心、不良ぽくて純粋で、切なくてかっこいい。少女漫画はセンスを問われる時代になった。
Complicated family situations, hearts that are drawn to each other, delinquent and pure, sad and cool. Shoujo manga has become a test of taste.
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このマンガのレビュー
牧野先生の絵柄で繊細な強弱が物語の感動的な揺らぎのニュアンスをうまく誘導する、辛い現実を描く青春ドラマ。当時新鮮だった女性漫画雑誌『プチコミック』で連載開始したころ、1970年代後半ということで少女漫画読者は大人になりかけていた時期であり、よりリアルなストーリーを求めたユーザーのニーズに応えるべく、新領地を開拓した代表的な作品の一つ。複雑な人間関係やシリアスな事態の展開だけではなく、当時の若者文化を代表するロック、バイク、助番などを含めた反体制主義的な(また、それに影響を受けた)カウンターカルチャー全開の社会背景も見事に反映されている。この頃のマンガ界において豊富なジャンルはいかに急速に拡大していったか、今振り返ってこそ読み取れるであろう。
主人公の桃子は暴走族スケルトン団を脱退している富裕層出身の翔に憧れ、ある日突然誘拐され、性暴力を受ける。このようなシーンは当時でも今でもショッキングな内容で少女マンガからの「卒業」した「女性マンガ」というカテゴリーを見事に画しているのだが、その後の展開こそがストーリーの軸となり、キャラクター同士のお互いに言えること、言えないこと、ドラマチックに進む大人の物語。
実写映画とコラボソングも1980年代にリリースされており、なお『プチコミ』だけではなく、『プチセブン』というファッション誌でも掲載されているということは当時のマンガのマンガ界以外への浸透性の実態も物語っているであろう。