欧文作品名読み者原作備考年掲載誌:

Macaroni Spinso

Macaroni Spinso
まかろにほうれんそう
鴨川 つばめ
KAMOGAWA Tsubame
週刊少年チャンピオン
Weekly Shonen Champion
ギャグ漫画の新しい風。読者の年齢が上がるとギャグの質も変化する。
New winds of gag manga. The quality of gags changes as the age of the readers increases.
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このマンガのレビュー

ぜひ、若者に読んでみてほしい作品である。前置きもなくそう語ってしまうほど、『マカロニほうれん荘』には古びない魅力がある。それが何かと言えば、色々と思い浮かぶが、まずはファッション性に注目したい。当時の音楽や流行、若者文化など、サブカルチャーを巧みに取り入れたセンスあふれる絵や濃厚なパロディは、その文脈を知らずとも魅了されるほどおしゃれで洗練されている。掲載は少年マンガ誌だが、太めのくっきりとした描線で描かれるキャラクターたちはポップで可愛らしく、少女雑誌で愛されたスタイル画をも想起させる。キュートでユニセックスな絵柄は恐らく今の10~20代にとっても違和感のないものだろう。そうした「素敵な」絵柄で、脈絡なく嵐のように展開されるハイテンションでハイテンポな、突き抜けたギャグの破壊力たるや。時事ネタも多分に含むはずだが、とにかく訳も分からないままに勢いで笑わされてしまう。かといって尖りすぎているわけでもなく、スラップスティックコメディーの中に青春のきらめきや恋のときめきもあり、奇跡的なバランスで成立している傑作だ。

さまざまな要素で構成された濃密なギャグマンガである本作は、読み進めていくと「作者は命の炎を燃やしているのではないだろうか」と思わせるほどの疾走感を感じさせるのだが、改めて確認すれば、連載期間は2年という短さ。それでいて、この作品が同時代の作家に与えた衝撃と、そして後世に残した影響は計り知れない。時代を猛スピードで駆け抜けたエポックメーキングである。

ISHII Akane

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