マカロニほうれん荘 Macaroni Spinso
![](https://tokiwaso-era-manga100.rainbowbird.jp/wp-content/uploads/2025/01/マカロニほうれん荘-e1738044913214.jpg)
Macaroni Spinso
まかろにほうれんそう
週刊少年チャンピオン
Weekly Shonen Champion
ギャグ漫画の新しい風。読者の年齢が上がるとギャグの質も変化する。
New winds of gag manga. The quality of gags changes as the age of the readers increases.
manga?genre=cm101&page=1&sort=pubDateDesc&title=%E3%83%9E%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%81%BB%E3%81%86%E3%82%8C%E3%82%93%E8%8D%98&author=%E9%B4%A8%E5%B7%9D%E3%81%A4%E3%81%B0%E3%82%81
%E3%83%9E%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%81%BB%E3%81%86%E3%82%8C%E3%82%93%E8%8D%98-7n5v8ldoo
このマンガのレビュー
ぜひ、若者に読んでみてほしい作品である。前置きもなくそう語ってしまうほど、『マカロニほうれん荘』には古びない魅力がある。それが何かと言えば、色々と思い浮かぶが、まずはファッション性に注目したい。当時の音楽や流行、若者文化など、サブカルチャーを巧みに取り入れたセンスあふれる絵や濃厚なパロディは、その文脈を知らずとも魅了されるほどおしゃれで洗練されている。掲載は少年マンガ誌だが、太めのくっきりとした描線で描かれるキャラクターたちはポップで可愛らしく、少女雑誌で愛されたスタイル画をも想起させる。キュートでユニセックスな絵柄は恐らく今の10~20代にとっても違和感のないものだろう。そうした「素敵な」絵柄で、脈絡なく嵐のように展開されるハイテンションでハイテンポな、突き抜けたギャグの破壊力たるや。時事ネタも多分に含むはずだが、とにかく訳も分からないままに勢いで笑わされてしまう。かといって尖りすぎているわけでもなく、スラップスティックコメディーの中に青春のきらめきや恋のときめきもあり、奇跡的なバランスで成立している傑作だ。
さまざまな要素で構成された濃密なギャグマンガである本作は、読み進めていくと「作者は命の炎を燃やしているのではないだろうか」と思わせるほどの疾走感を感じさせるのだが、改めて確認すれば、連載期間は2年という短さ。それでいて、この作品が同時代の作家に与えた衝撃と、そして後世に残した影響は計り知れない。時代を猛スピードで駆け抜けたエポックメーキングである。