ロボット三等兵 Robot Private Third Class
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Robot Private Third Class
ろぼっとさんとうへい
貸本
kashihon
少女クラブ:1958年 -
落語的ナンセンスギャグ。「ロボット兵士」という斬新な設定の異次元的作品。
Rakugo-like nonsense gag. An interdimensional work with the novel setting of ‘robot soldiers’.
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このマンガのレビュー
前谷惟光「ロボット三等兵」は、トッピ博士が作った愚直でドジな人型ロボットが、第二次世界大戦の日本軍に入隊し下っ端以下の「三等兵」となって珍騒動を巻き起こす、というユーモア作品。軽妙でとぼけた味のある会話と、チャップリンの映画「担へ銃(つつ)」(1918年)のような戦場ドタバタ喜劇を描き、戦後の少年マンガとして大人気を博した。1950年代に寿書房の貸本マンガとして11巻が出たのち『少年クラブ』(講談社)でも連載が開始され、1958年から1962年の同誌休刊までほぼ毎月別冊付録が描き下ろされるほどの人気であった。「いやなこというね」などの落語的な会話劇やペーソスあふれるコメディの作風は秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」に大きく影響を与えている。
また貸本では同じロボットキャラクターによる戦場以外を舞台にした「ロボット捕物帖」「ロボット名探偵」などのスピンオフ作品も多数発表されている。「ロボ子さん」というスピンオフ作品もあり、こちらは現在『週刊少年ジャンプ』連載の宮崎周平「僕とロボコ」を彷彿とさせる風貌で、「ロボットギャグ」の遺伝子は現在にも受け継がれていると言えるだろう。スピーディで破壊的な「ギャグマンガ」が登場する前の「古典的なユーモア」が楽しめる作品でありつつ、壮絶な従軍経験を持つ前谷惟光の、どこか冷めた達観的なニュアンスも感じられる独特の作品となっている。