赤胴鈴之助 Akadô Suzunosuke

このマンガのレビュー
懐かしの少年マンガシリーズ①
1950〜60年代、月刊、週刊誌に掲載されていた少年マンガは、団塊世代の私たちにとって一生記憶に残るものばかりです。改めて読むとその構想力、ストーリー、キャラクターの豊かさにビックリします。令和の今だからこそぜひ読んでもらいたい代表的な作品をこれから5つ紹介していきましょう。
最初は時代劇マンガ「赤胴鈴之助」。GHQ によって禁じられていた時代劇も1951年に解禁され、マンガの世界にもどっと時代劇の波が押し寄せてきます。
連載第1回は手塚治虫最大のライバルと言われた福井英一が描いていますが、福井が急死したため武内にバトンタッチ。その後をきちんと受け継ぎ名作に仕立てあげます。
連載当時、吉永小百合が子役で出演したラジオドラマや映画、それにテーマ曲やアニメも大ヒット、今も続く「メディアミックス」の先駆け的作品でした。
このマンガの最大の魅力は必殺技「真空斬り」を出す時の発声と決めポーズでした。それが破れるとまた新しい必殺技に進化していきます。この設定は日本のマンガの独自のもので、のちに「ドラゴンボール」や「NARUTO」に受け継がれていきます。
次々と登場する敵の強さと多様さも魅力の一つです。主人公は何度も危機に陥りますが、その都度仲間の助けを借りて成長していきます。まるで「ワンピース」の世界そのものです。
それまで敵対していたライバルが心を入れ替えて鈴之助の味方となる時によく使われていた「改心」という言葉も魅力的でした。この設定はその後の少年マンガの主流になっていきます。
そして背景には、主人公鈴之助にまつわる家族愛、師弟愛、義侠心、倫理観があふれています。今ではすっかり薄くなってしまった当時の人間関係の濃密さがかえって新鮮に感じられます。
こうしてこの作品を改めて読み返すと、今に続く少年マンガの王道がすでに描かれていることに驚かされます。この時代の少年マンガの世界への導入としてまずは「赤胴」から入ってみましょう。