電人アロー Denjin Arrow

このマンガのレビュー
懐かしの少年マンガシリーズ⑤
最後に紹介するのは「電人アロー」。電気エネルギーで活動するスーパーサイボーグ「電人アロー」が怪人Xファイターなどの敵と戦う話です。実写化も計画され、スポンサーも決まってたのですが実現しませんでした。
この頃は子どもたちの関心が多方面に広がり、SF 、特撮、宇宙人、ロボット、サイボーグ、ヒーロー、忍者などがブームになっていました。テレビ局と出版社が連携して新しい企画を立ち上げ、マンガを先行させて実写化に繋げる、あるいは実写映像をコミカライズするという方法がとられています。
電人アローの作者一峰大二はその両方に関わっています。しかもその数が半端ではありません。当時放送されていた特撮ヒーローモノのほとんどを手がけています。スーパージャイアンツ、七色仮面、ナショナルキッド、ウルトラマンシリーズ(マン、セブン、レオ、80)、スペクトルマン、ライオン丸、ミラーマンなど懐かしい番組が続々と出てきますが、これらすべて一峰がマンガを描いているのです。そんな作家はほかにいません。
一峰の絵は決して上手いとは言えません。何となく泥臭い絵ですがこれがコミカライズには向いていました。ウルトラマンシリーズは一峰のほか桑田次郎や楳図かずおも描いていますが絵が上手すぎて番組の紹介には不向きでした。その点、一峰の絵は前面に出てこないので番組の内容がよく伝わってきます。
マンガの市場を広げるために現在構想されているのがスポンサードマンガです。「電人アロー」に先行する「ナショナルキッド」はその原点でした。番組ではナショナル電器(現在のパナソニック) と徹底したタイアップが行われおり、一峰が描くマンガにもスポンサーの名前が随所に出てきます。その後の「電人アロー」はさらにタイアップを強化して本格的なスポンサード作品となるはずでしたが時代が早すぎたのか実現しませんでした。
特撮ヒーロー番組は今も続いており、そのコミカライズ作品も人気です。「電人アロー」はそのルーツ的作品で、今でも充分に楽しめる内容となっています。これを機会に「一峰大二ワールド」を堪能してください。