チャコちゃんの日記 Chako’s Diary
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Chako’s Diary
ちゃこちゃんのにっき
りぼん
Ribon
女の子の日常がそのまま作品として通用することを示した作品。
This work shows that a girl's everyday life can be regarded as a work of art as it is.
manga?genre=cm101&page=1&sort=pubDateDesc&title=%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%B3%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%AE%E6%97%A5%E8%A8%98&author=%E4%BB%8A%E6%9D%91%E6%B4%8B%E5%AD%90
このマンガのレビュー
ぷっくりしたほっぺたが可愛い、活発な小学5年生のチャコちゃん。
連載当初は、読者から投稿されたエピソードや題名を基に、作者が話を創作する形式で始まった。掲載誌を変え、この形式はなくなったが、一貫したテーマは、読者である子ども達の等身大の体験である。チャコちゃんに巻き起こるささやかな事件は、誰の子ども時代の記憶とも重なる部分があるだろう。
作者の今村洋子は、本作について「当時TVで人気のあったアメリカのホームドラマ『パパはなんでも知っている』や『ママは世界一』等を下地に、ごく平凡的な中産階級の、ごく平凡な愛すべき女の子が、家庭や学校で引き起こす失敗や、笑いの数々を綴った日記を漫画に」(1976年刊の文庫版1巻のあとがき)と語っている。
『サザエさん』など家庭をテーマに描かれる作品は他にもあったが、ソファや二段ベッドがあるチャコちゃんの家庭は、高度経済成長期にあたる当時、多くの読者にとって、自分たちの生活よりもやや現代的かつ都会的だったはず。おしゃれな雰囲気が漂いつつ、だけどそれらはあくまで手の届きそうな範囲の憧れ。そのさじ加減が絶妙だ。
また、子ども向けのメディアにおいて男女の恋模様を描くことがタブーだった時代、ボーイフレンドが登場するなどの展開も少女読者の支持を得た。高学年の女の子なら関心事のひとつに恋が入ってくるのは自然なこと。憧れと共感が詰まった本作は、少女のための「ホームドラマ」の金字塔だ。