マキの口笛 Maki's Whistle
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Maki's Whistle
まきのくちぶえ
りぼん
Ribon
少女のための少女にしかわからない王道の少女漫画。
A royal girls' manga for girls that only girls can understand.
manga?genre=cm101&page=1&sort=pubDateDesc&title=%E3%83%9E%E3%82%AD%E3%81%AE%E5%8F%A3%E7%AC%9B&author=%E7%89%A7%E7%BE%8E%E4%B9%9F%E5%AD%90
このマンガのレビュー
「マキちゃんが くちぶえを ふくのは とても かなしいとき か うんと うれしいとき だけ……‥」
こんな語りから始まる本作は、「バレエ」という美麗なモチーフをベースに母子のきずなが描かれる。戦争の暗い影がまだ世の中に残っていた当時、少女マンガでは不幸な少女のお話が流行した。
本作にも原爆の後遺症など重たいテーマも登場する。しかし、主人公・マキは運命を悲観しない。冒頭のセリフには前向きな生き方が詰まっている。
また、薄幸の少女物語につきものの「貧乏」という要素がなく、描かれた小道具は豪華で可愛らしい。海外との頻繁な交流など、マキたちのファッションや生活スタイルは読者の憧れだった。
こうした憧憬の要素も、明日を夢見る活力になり、励まされた読者は多いはずだ。
なお連載中はマキが着ている服が毎月1名にプレゼントされる懸賞が実施され、それには多くの応募があったという。そうした人気ぶりを受けて、作者の描く女の子は、「リカちゃん人形」のモデルにもなっている。
少女マンガが持つ可愛くてきらびやかなイメージ、そして高度な抒情性は、本作の作者・牧美也子による作品郡が源流のひとつと言っても過言ではない。
このジャンルが発展した背景を氏の存在なしでは語れない。