欧文作品名読み者原作備考年掲載誌:

Shidenkai no Taka

Shidenkai no Taka
しでんかいのたか
ちば てつや
CHIBA Tetsuya
週刊少年マガジン
Weekly Shonen Magazine
少年誌の中に一定数存在したいわゆる「戦記もの」の中でも特別色濃く戦争の虚しさと平和への意志を感じさせる
Among the so-called ‘war stories’ that existed in a certain number of shōnen magazines, in this manga the depiction of emptiness of war and the will for peace are particularly strong.
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このマンガのレビュー

撃墜王という言葉がある。
5機以上の撃墜をしたパイロットのことをいう。
本作の太平洋戦争での実際の日本人の撃墜王は200人にも満たないようだが、主人公の滝と共に戦うメンバーはみな撃墜王の凄腕揃いであり、そんな日本屈指の凄腕のパイロットたちが終戦直前の日本の置かれた状況を必死に生き抜き、なにを考えていたかを感じることができる作品が本作である。

主人公の滝は険しい戦闘機同士の戦いに勝ち、生き残りながらも戦争の矛盾に葛藤する。

敵兵も、味方の死も、人の生に平等に向き合うことで、思考することを妥協しない。
そんなことをすると戦うことが辛くなると分かっていながらも思考を止めないのである。

「戦争ってなんだ?なんのために戦争をやるんだ?
いったいだれがこんなことをはじめたんだ?」
「おれはこの真っ暗な空の中で戦争という
ものを考えてみたいんだ。」
「新しい日本の将来を考えたい
ゆめがあるよ。たとえ敗戦国日本と呼ばれようと..」

新しい日本を夢見て前を向こうとする滝の姿に胸を打たれる。
迫力ある空中戦とともに、戦争を単なる事実として捉えるだけでなく、その時代を生き抜いた人々が敵も味方も越えて生きる意味と向き合ったであろう価値を感じることができる。

絶対的な権力に対する滝の若さ故の反抗と、
日本男児としての葛藤と、
待つ人々と向き合うことが出来ない、ひたすらにやるせない感情が押し寄せてくるラストは必見だ。

MIKOSHIBA Masayoshi

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