同棲時代 Cohabitation Era

Cohabitation Era
どうせいじだい
漫画アクション
Weekly Manga Action
愛とは不確かなもの。その儚さと美しさで「同棲」と言う言葉は後ろめたいものからトレンディなものへと生まれ変わった。
Love is something uncertain. Through its fragility and beauty, the word “cohabitation” transformed from something shameful to a trendy concept.
manga?genre=cm101&page=1&sort=pubDateDesc&title=%E5%90%8C%E6%A3%B2%E6%99%82%E4%BB%A3&author=%E4%B8%8A%E6%9D%91%E4%B8%80%E5%A4%AB
%E5%90%8C%E6%A3%B2%E6%99%82%E4%BB%A3-nredxyo2m
このマンガのレビュー
本作が扱うテーマは、はっきりしない男女のじとじとした同棲生活であり、物語だけを追うと、やるせなさが募る内容である。しかし、この作品の真価は、そうした物語の湿っぽさを凌駕する、画の美しさにある。
上村一夫先生の構図は、とにかく格好いい。大胆かつ洗練されたコマ割りと画面構成が、重く湿ったストーリーを、大変おしゃれなマンガへと変換していた。どのページを切り取っても、そのまま壁に飾れるような芸術性。ページ自体がひとつのアートとして成立している。これは、マンガ表現にとってひとつの革新だった。
当時、「同棲」というライフスタイルが一種のブームのようになっていた。若い男女が有り余っていた時代、それまではだらしない関係の象徴のようでもあった「同棲」が、ちょっとかっこいいものとして受け取られるようになっていたのだ。本作はその流行を反映した面もありつつ、単なるブームの産物にとどまらない芸術作品として結実している。その洗練された美しさは、日本のマンガの枠を超え、世界で通用する普遍性を感じさせる。