つる姫じゃ〜っ! Tsuruhime
![](https://tokiwaso-era-manga100.rainbowbird.jp/wp-content/uploads/2025/01/つる姫じゃ〜っ!-e1738046146341.jpg)
Tsuruhime
つるひめじゃ~っ!
週刊マーガレット
Weekly Margaret
少女漫画でも本格ギャグは可能ということを示した。
It proved that even in shoujo manga, genuine comedy is possible.
manga?genre=cm101&page=1&sort=pubDateDesc&title=%E3%81%A4%E3%82%8B%E5%A7%AB%E3%81%98%E3%82%83&author=%E5%9C%9F%E7%94%B0%E3%82%88%E3%81%97%E3%81%93
%E3%81%A4%E3%82%8B%E5%A7%AB%E3%81%98%E3%82%83%EF%BD%9E%E3%81%A3%EF%BC%81-15uzicgx3
このマンガのレビュー
ハゲマス城の「つる姫」は、お姫様のイメージからほど遠い。見た目だけじゃなく、イタズラばかりして周りを困らせるハチャメチャな日々は、1970年代の少女マンガに前代未聞の笑いの台風を巻き起こした。
本作が登場するまで、少女マンガの笑いは、ほのぼのしたユーモアが主流だった。作者の土田よしこは、そこにハイテンポかつ破壊的なギャグを入れた。姫のおもらしは日常茶飯事。風呂嫌いで不潔な姫がホットケーキを作る回では、家来全員が食中毒になるほど…。また、ともに当時、『週刊マーガレット』で連載していた人気作『ベルサイユのばら』や『エースをねらえ!』をパロディーのネタにもした。こうした作風は、土田がアシスタントをつとめた赤塚不二夫の影響も大きいだろう。
決して美しいとは言えない個性的な姿の姫は、容姿に一喜一憂する思春期の少女読者にとって、ある意味、共感する部分もあったはずで、本作にはコンプレックスを笑い飛ばす痛快さもあった。また、そうした笑いの中には時にほろりとする人情話も。亡き母が恋しくなった姫に、いつもは怖い女中のイネさんがぶっきらぼうに優しくするなど、ハートウォーミングな挿話もあった。
ギャグの中に少女読者が共感できる普遍的な心象風景を溶け込ませた本作は、70年代の新風ながら古びない。今読んでも最高に笑える。