摩利と新吾 Mari and Shingo

Mari and Shingo
まりとしんご
LaLa
LaLa
BLも男女の愛も本質は同じ。切ない思いと透明な明るさが引き立て合う名作。
BL and male-female love are essentially the same. A masterpiece in which sad feelings and clear brightness complement each other.
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このマンガのレビュー
1970年代後半から80年代にかけて、少女マンガの世界では、見目麗しい男性同士の同性愛を描く作品が、ひとつのジャンルとして当たり前のように確立されていった。本作もその潮流の中にありつつ、明治後期の旧制高校という舞台設定、きらびやかに名づけられた登場人物たち、ドイツ語風の副題や台詞の応酬に漂うヨーロッパの香りなど、「華やかでいて品がいい」木原作品の特質が際立った作品だ。
そして、この作品が何よりも素晴らしいのは、「恋愛において性別は関係ない」ということを、ごく自然な肌感覚として読者に伝えてくれるところ。描かれているのがたまたま男性同士というだけで、その感情の動きや葛藤は、異性間の恋愛と何ら変わりがないことが、まっすぐに伝わってくる。そういう意味で、同性愛というテーマを広く解放した作品ともいえるかもしれない。それでいて、常にどこか悲しさがつきまとうのも木原作品の特徴。悲劇的な結末のほろ苦さも含め、切々とした描写が深く胸を打つ。